なーこ

もう終わりにしよう。のなーこのレビュー・感想・評価

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)
4.0
ジェシーバックリーのNTLロミジュリからのこの作品。
本が原作なので作者の意向とかたぶん前知識で入れといた方が良い情報とかはある。でも十分自分なりの解釈ができる作品でした。

まずは演出から。
この作品で1番好きだったのが演出。簡単に違和感を感じさせられる非対称を目立たせるだけじゃなく、主人公(?)をこっそり見てるようなカメラ位置が好きだった。
それは主人公の置かれてる状況に疑問を持つ種類じゃなく、自分が何か意図を持って主人公を未知の時間軸につれていくような視線。主人公と一緒に迷子になるんじゃなくて、自分が主人公を迷子にさせてるような。この撮り方からは自分の中にこの作品の答えがあるような、そんなものを感じた。

ストーリーを三段階に分ける。
まず初めの車のシーンから。この時点でもう2人のぎこちなさ、相性の行き止まり感がある。これ以上は良くならないし、良くさせたくない。
たしかに私も好奇心からの人付き合いは経験あるし、分かってるのにまあいいかみたいな、そんな時間に意味を見つけようとする。

次にお家の場面。
リトルミスサンシャインのお母さんとルーピン先生!この2人は怖かった!とくにお母さんの演技が凄すぎてその場の3人含め製作みんなが押されそうな空気。
ぐるぐる回って考えてるのは車のシーンの続きではあるんだけど、題名通り結論は自分で決めてるのでそれは変わらない。
人の家に入っただけでその人の人生とか性格を想像してしまうのわかるけど、このあたりからあれと引っかかるものがある。これは終わりで書く↓

次の車の場面。
もう見てるこっちもはよ帰路について終わりにしよう。でも2人の会話が気になる….
この辺りから2人の相性のずれがばっちり確実。妥協の上の妥協みたいな、もう彼女が帰ったら終わりなんだなってのがわかる。

後半でしっかり出てくる清掃のおじさん。制服も農家の地下室で洗濯されてたものだし、好きな音楽も同じ。スリッパで確信に変わる。
俺の人生なんだったんだよてな感じ。理不尽さと悲しさと、こうだったら良いな、こんな人生もあった。ところどころのif場面が、ジャレットレトのミスターノーバディ思い起こさせる。

ジェイクの投げやりさと豚が悲しかったなぁ。
1人で生きていきたがる私ってどうなんだろう、なにが残るんだろう。

オクラホマ鑑賞推奨とは言われてるものの、オクラホマなにそれ状態の私でもここまで理解できた!次こそオクラホマ観る!
なーこ

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