ねぎしお

もう終わりにしよう。のねぎしおのネタバレレビュー・内容・結末

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

めっちゃ難解でセンスのある映画だった
ずっと夢を見ているみたい
ちょっとしたセリフやシーンが凝っていて、ずっと目が離せなかった

まとめ:
この登場人物全員がジェイクの創り出した妄想だと思う。ルーシーの職業が詩人だったり画家、物理学者ところころ変わっていくのも、ジェイクの理想が彼女に反映されていたんだろうね。
犬のジミーが臭くてびしょ濡れであることに必要以上に謝っていたのは、負け犬である自分と重ねていたからなのかも。
サルサタウンのあの気が弱そうな店員、あの子も自分がニス臭くてごめんって謝ったり、腕や体にある発疹がジェイクと一緒なのもきっと偶然ではないと思う。

あとこの作品には伏線的なものがたくさん散りばめられてた。
ルーシーが車内で新作だと語っていた詩がジェイクの子供部屋の本に書かれていた事。
ルーシーが地下室の洗濯機を開けたら、現実世界の用務員のジェイクが着ていた服が何着も入っていた事。
ルーシーに何度もかかってくる不可解な電話。あの電話はルーシーにではなく、現実ジェイクから妄想ジェイクへのメッセージだったのだと思う。
ルーシーが車内で「もう終わりにしよう。」と考える度にジェイクが話しかけて、思考を遮ろうとするのは、妄想ジェイクが薄々気づいていた現実から遠ざけるためだったのかな?
実際ルーシーは終盤で用務員ジェイクに「バーで出会った男とはなんでもなかった。ずっとじろじろ見てきて、気持ち悪いしウザかった」と漏らしていることから、現実は辛いなぁと感じる。

そしてこの映画の1番の見所は、ジェイクの妄想はずっとループしているということ。
6週間前に付き合ったはずなのに、ずっと前から
一緒にいた気がすると思うのも、繰り返されているからだろう。
冒頭でルーシーが「初めてジェイクの実家に行くのに初めてではない気がする」というセリフ。
見終わると結構意味深、、、
ルーシーの名前がルイーザやイヴォンヌと、ころころ変わる。
階段を降りるシーンが何度も繰り返される。
地下室の洗濯機から同じ服が何度もでてくる。
そして決定的なのが終盤の学校のゴミ箱にサルサタウンのアイスカップがたくさん捨てられてること。
これらのことからジェイクは妄想で何度も学校を訪れてアイスを捨ててきたことが分かる。

あとオクラホマっていうミュージカル映画を観てないと理解できないシーンがたくさんあるらしい。オクラホマを十分理解した上でこの作品を見てたら、この結末が自分にとってどんな解釈になっていたのか気になるなぁ。まあ観る気はないが。
私は悲しいラストだと思う。
あの吹雪の中、現実ジェイクは車で息を引き取り妄想ジェイクにも終止符を打ったというのが個人的な見解。

長くて読みづらかったらごめん。
ねぎしお

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