パスカル

もう終わりにしよう。のパスカルのネタバレレビュー・内容・結末

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

考察
序盤の車のシーン、ジェイクが女性の心の声に反応したように見えるところ、老人が掃除している舞台での女の人の歌声がそのまま車の中のラジオで再生されたこと、女性が反応したもの(ブランコ)しか車の外に存在してない事、からおそらく老人が本体でここで起こっている事は老人の妄想なのかなと思った。最後まで観たがおそらくこの解釈であっている。

本は未読だが、どうやら老人は最後に自殺するらしい。この妄想には、過去本当に老人が体験した事と、こうであったら良かったという理想が入り混じっているように見えた。どこまでが実際に経験した事でどこが創造したものなのかは曖昧だ。


私がどうしても気になったのは、何故妄想は自分の好きなようにできるはずなのに車の中のシーンがあれ程不快でしかも長いのか?という一点だ。カウフマンは無能な監督ではないので、不快な事にも必ず意図があるはず。
老人はくだらない人生を都合の良い妄想をする事で何とか生きてきた。しかし、それにも疲れ、もう妄想をするのも終わりにしようと考え始めたのだ。それがあの映画の始まりなのではないだろうか。それを女性のジェイクとの関係を終わりにしようという想いに重ねているのが今作なのだ。
しかし、妄想が終わる時、それはもう人生の終わりを意味する。終わらせたい自分と終わりたくない自分。その葛藤が女性とジェイクという形となり、不快な車のシーンとなって現れているのかもしれないと思った。


批評
トニコレットの演技が最高なので家のシーンがめちゃくちゃ面白い、がその後つまらない話ばかりする車のシーンが来るので余計に退屈で、映画全体がつまらなくなってしまってる。やりたい事は分かるがもう少し演出を考えるべきだったのでは?と思った。
パスカル

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