みーちゃん

もう終わりにしよう。のみーちゃんのレビュー・感想・評価

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)
4.5
難しいことは考えず感じるまま観よう。そして、観た後は敢えて皆さんのレビューや考察は読まず感じたまま書こうと決めていたのでそうします。※ネタバレかも。

めちゃくちゃ面白かった。そして感動した。これは救いの物語だ。表現が不安定でぐちゃぐちゃなのは、人生の終わりに見ている走馬灯だからだと思う。理路整然とした走馬灯なんてないもの。そしてトラウマやコンプレックスの再現&解放だ。

例えば、彼にとって毒親だった母、向き合わない父の存在。軽蔑と同時にそこから生まれた強い自己否定感、渇望する承認欲求。これらを見事に体現していた。ストーリーテラーである理想の彼女。その延長線上にいるのは、自分を見つめるもう一人の自分。だから校舎内で言葉を交わし、ハグする場面には深い意味があると思う。自分を赦し、認め、解き放たれた瞬間だった。しかも、あの豚さんが迎えに来てくれるなんて…。思わず胸が熱くなった。

実際に彼の身体があるのが孤独なベッドの上なのか、車の中なのか、見た通りなのかは分からない。それは単に結果であり、この心の旅の過程こそが重要なのだ。…本当は全然違ってたりして。