TaiRa

樹海村のTaiRaのレビュー・感想・評価

樹海村(2021年製作の映画)
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近年の長編Jホラーで一番面白いのでは?あんま観てないけど。

『犬鳴村』はそこそこ楽しめたくらいだったけど、今回は普通に面白かった。あとちゃんと怖かった。まずコトリバコのデザインが良い。クローネンバーグ的なキモデザイン。呪いの絶対性も強烈で、箱触ったら一家皆殺しという強引さが堪らない。箱捨てても帰って来るのが嫌な感じ。冒頭のライブ配信シーンも前作より怖かった。昼間の樹海というセッティングが、何か映るかもしれないという恐怖に拍車をかける。先に人ならざるものを見せてるのも効果的。あと妹がやる音声SNSでの『クニコ』オマージュは普通に怖かった。死亡シーンのレパートリーも豊富かつ、間隔も狭い。とにかく次々と人が死んで行く。そのスピードが楽しい。最初のトラックからして、引きの画の中で何の予兆もない所で人が死ぬので怖い。人間落下も前作の面白い見せ方とは違って、ドライに見せたのも良かった。巻き添えっていうのも強烈な残酷さもプラスされてる。妊婦への酷な対応も呪いの容赦なさに一役買ってる。人体が木に取り込まれてるビジュアルが素晴らしい。霊能者の見る世界をチープに感じさせなかったのも偉い。妹の山田杏奈も姉の山口まゆもどっちも良い芝居してた。村人たちの描写も、人間が木と融合するVFXやそれと併せた役者の身体表現がダサくなくて感心。暗黒舞踏っぽいけどそういう人たちなんかな。安達祐実あたりの泣き要素もそんなにクドくなくて丁度いい。要所要所に出て来る國村隼もやたら重厚でムード出てる。それはそうと新婚であんな家住みたくないだろ。
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