字幕版を鑑賞。
自然と文明の相克を描いた映画は数多いが、創っている側が文明人だからか大方は文明を善として描く、或いは文明の支配を不可避の運命として受容する(『もののけ姫』は後者)。
だから、文明を人間を縛り付ける鎖と捉え、野生への回帰をその軛からの解放として描いたこの映画には、目から鱗だった。
そして何より、狼になった二人の少女が仲間達と共に夜の森を駆け巡る場面の、素晴らしいアニメーションによる圧倒的な開放感と多幸感。
この感動のお陰で、「反文明」「自然回帰」などという普段なら胡散臭さしか感じないテーマも、素直に受け入れられた。