ボギーパパ

シュシュシュの娘のボギーパパのレビュー・感想・評価

シュシュシュの娘(2021年製作の映画)
3.3
劇場2021-57 ユーロS

入江悠監督がコロナ禍で苦境あるミニシアター、俳優、スタッフを応援するために制作した自主映画。誠にもって微力ながら応援の意も込めて鑑賞。

もうその心意気がたまらない。それだけで観た価値がある。

このご時世、移民排斥や桜を見る会、公文書改竄などによる耐え難い閉塞感を、ある意味痛快に切ってとった作品。かなりデフォルメしてはいるもののなんかホントにありそう。ああいう街。つまり油断するとこの日本はああいう街になっちゃいますよ、あるいはもうなってますよという警鐘なのでしょう。

長いものには巻かれろというが、巻かれちゃえばと気が遠くなって、ある種の快感が得られるのか?国や県がやってんだからOK!という、あの発想。自警団称する輩の陶酔感はそうとしか思えない。

中盤のじいちゃんとの対話。関東大震災時の事件を引用し、正しいことを自分で考え、行動することの意義を説いたシーンは、何も考えず巻かれて陶酔している奴らとの対比として素晴らしいシーン。じんと来た。


ま、本作は忍者ガールが、成長して最終的には暴力で解決するわけだが、巻かれる前に声を出して行動に移そう!衆院選が近づく昨今だからかそんな感想を持った。(この日菅総理は総裁選不出馬を表明)

それにしてもあの市長、安倍氏に雰囲気似てたなぁ。もちろん狙いでしょうけど(^^)

あと、時折挟まれた福田沙紀の準備体操ダンスは作品に句点を打ち、良い切り替えを感じました。キレもあったけど、ダサカワイイ。
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