幽斎

UFO真相検証ファイル Part1 戦慄!宇宙人拉致事件の真実の幽斎のレビュー・感想・評価

3.6
2020年4月にアメリカ国防総省がUFOの可能性が有るフッテージを公開、自国の防衛に対する脅威を事実上認めた。時を同じくして当時の河野防衛大臣が航空自衛隊にUFOに遭遇した際の対応手順を定める等、武漢ウイルスで情報が埋め尽くされる最中、日米がキナ臭い連携を深めてる事実をご存じだろうか?。

武漢ウイルスで映画館が邦画で埋め尽くされる中で、唐突に全国のイオンシネマを中心にロードショーされる「快挙」を成し遂げた。前後編で3時間も有る得体の知れない最新作を公開するのは、未だ論争の絶えないUFOの存在以前に、YouTubeで見れる映像をスクリーンの大画面と迫力のサウンドで観る。それは正に「言葉では説明できない不思議な出来事」京都ではシネコンで上映されず、ミニシアター「京都みなみ会館」にて鑑賞。

「abduction」アブダクション。本来の意味は事象を最も適切に説明しうる仮説を導出する「論理的推論」を指す、一例として「結論bに規則aならばbである」を当て嵌めて仮定a を推論する、と言う具合に。本作では当然「宇宙人に拉致された」事を指すが、アメリカで最も有名なアブダクションは、1961年「ヒル夫妻誘拐事件」。夫妻はUFOの船内で、臍に針を刺される等、まるで標本の様に扱われたが「宇宙人はテレパシーで話しかけたので、怖くは無かったし不思議と痛みを感じなかった」と後にテレビで証言してる。本編では当事者のインタビューを元に、様々な検証を試みてる。

日本では矢追純一氏がUFOの伝道師として、先輩以上の世代の熱い支持を集めた。TVシリーズ「X-ファイル」の放送も毎週楽しみにしてたそうで、薦められるままに劇場版を見たが、私もかなりの周回遅れでGillian Andersonのファンに成った”笑”。本編107分と意外と長いPart1の大半はウィキペディアが元ネタだったり、論調もUFO肯定派ばかりで、推論に反する否定派の意見がなく、説得力に欠ける。懐疑派にもインタビューする事で論点が定まる事を避けたと言われも反論は出来ない。

一方でアブダクションでアメリカ社会を震撼させた映像「U.F.O. Abduction」を紹介してるのは画期的。この「映画」は製作したDean Aliotoが偽物だと公言してるにも関わらず、全米のテレビ局がニュース番組の中で紹介した事から、本物だと未だに信じられてる。一家を襲う宇宙人の映像は恐怖の対象でしか無く、1989年に製作された映像としては実にリアル。「E.T」に代表されるエイリアンを友好的に描く作品が有る一方で、この様な作品が世に出る事が如何に「世論」を政府が簡単に誘導できるかを物語る、それは現在の武漢ウイルスで溢れた日本のワイドショーも全く同じ、何も変わって無い。

映像自体は貧祖で「テネット」の製作費の数秒程度しか掛けて無い”笑”。地上波でUFO番組がバンバン放送してた頃を知らないが、UFOを信じない人は間違いなく時間の無駄と本作は見ないが、そんな次元の問題では無い気もする。これは「心霊」にも言えるが、ネットで情報が簡単に検索できる現代では、彼ら宇宙人が私達の生活に入り込める「余地」は少ない。しかし、雑誌「ムー」を愛読し宇宙人をロマンだと思う人は少なからず存在する。洋画が乏しい中で公開されたが、もし、オリコンチャートに本作が登場したら、その時こそアメリカ政府が恐れる「アセンション」が訪れるだろう。

本物であると言うエビデンスが無いモノを肯定しない、それは論理の摩り替えに過ぎない。私は偽物であると言うエビデンスが無いモノを否定しない、それが科学だから。X-ファイル、ダナ・スカリーの台詞「Mulder the truth is out there. But so are lies.」モルダー、真実は其処に有るわ、でも嘘もね。

宇宙人を認めた時、それはキリスト教を始めとする全ての宗教が崩壊する事を意味する。信じるか信じないかは貴方次第です。
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