幽斎

UFO真相検証ファイル Part2 衝撃!カメラに映った宇宙人たちの幽斎のレビュー・感想・評価

3.8
2020年4月にアメリカ国防総省がUFOの可能性が有るフッテージを公開、自国の防衛に対する脅威を事実上認めた。時を同じくして当時の河野防衛大臣が航空自衛隊にUFOに遭遇した際の対応手順を定める等、武漢ウイルスで情報が埋め尽くされる最中、日米がキナ臭い連携を深めてる事実をご存じだろうか?。

武漢ウイルスで映画館が邦画で埋め尽くされる中で、唐突に全国のイオンシネマを中心にロードショーされる「快挙」を成し遂げた。前後編で3時間も有る得体の知れない最新作を公開するのは、未だ論争の絶えないUFOの存在以前に、YouTubeで見れる映像をスクリーンの大画面と迫力のサウンドで観る。それは正に「言葉では説明できない不思議な出来事」京都ではシネコンで上映されず、ミニシアター「京都みなみ会館」にて鑑賞。

意外に思われるだろうが前作「Beyond the Spectrum Being Taken」アメリカでは好意的に受け止められ、映画として公開した度胸も然る事ながら、一定の評価を得た事で作られた本作。日本で公開した配給元TOCANAのTwitterは「ぶっちゃけPart1より面白い」と正直で宜しい”笑”。洋画に詳しい方でもTOCANAを御存知の方は少ないだろうが、叶井俊太郎と聞いてピンと来た方はジャンク映画に詳しいと素直に尊敬したい。系列のロボットでは無い「トランスフォーマー」に籍を置くが、元はアルバトロスの名バイヤーで「アメリ」をヒットさせたと言えばお分かりだろう。因みに奥様は漫画家の倉田真由美氏。

鑑賞後に違和感を感じてアメリカの公式サイトを見て唖然とした。Part2はPart1と同じDarcy Weir監督「Beyond The Spectrum Maussan's UFO Files」2019年制作の45分のドキュメンタリー映画に「Beyond the Spectrum Humanoids」同じく2019年に作られた1時間2分のドキュメンタリー映画を繋ぎ合わせて作られた、日本オリジナル”笑”ジャパン・エディション、と言う事。ホストをメキシコで国民的支持を集めるJamie Maussanが務めるので、違和感は無いがハッキリ言って編集が雑過ぎ。Maussanは自らのオカルト番組の司会者だけに、映像を面白おかしく紹介してる。Part1が古い映像を真面目に紹介したのに対し、本作はシンプルに面白い。短いエンドロールが2度流れた時、劇場で声を出して笑ってしまった(観客は私と連れの2人だけ”笑”。

Maussanのオカルト番組が好評なのは、深い理由と浅い訳が有り、メキシコ本土と海岸線には毎年多くのUFOが飛来する。それは京都で例えるなら「本日はウリボウが出ました」程度の高確率。一説にはアメリカ軍が宇宙人からUFOの製造を教わり、アメリカ製UFOが自国の空をビュンビュン飛ぶ訳にはいかず、隣のメキシコでテスト飛行してる、と言うのは矢追純一氏の番組時代から言われてる(らしい)。年末の「ビートたけしの超常現象Xファイル」でメキシコのUFO映像が多く出るのは偶然では無い。

傾聴に値するのはUFOの映像よりも、ホストのMaussanの生き様で有る。前半で彼の半生が語られるが、普通のジャーナリストから、弁舌の巧みさでニュースキャスターに上り詰めるが、一貫してるのは「腐敗と闘う」この一点に揺るぎが無いからで、汚職の巣窟と言われるメキシコでは稀有な存在。気骨な人がUFO信者に為るのは意外と容易い。腐敗と戦う人が、簡単に共産主義に憑りつかれるように、世間では捏造写真家として有名なコンタクティーと出会い、報道からオカルトに転身するのは判る気もする。ご覧頂ければ、単なるお笑い都市伝説映画で無い事が、お分かり頂けるだろう。アメリカでは前作に増して高く評価され辛口の批評家も「なぜアメリカでは、こんな番組が創れないのか!」と怒りを露わにしてる。

彼を見てるとオルトライトとオルタナティブ等、オカルティックな面よりも宗教的な側面を感じるのは私だけだろうか?。アメリカのUFO番組(中には報道ステーションの様なニュース番組のコーナーとして)、エンタメ志向でエイリアンを額面通り、恐怖の対象としてるのに対し、彼の番組はエイリアンの存在を隠し続ける政府へ疑問の目が注がれる。アメリカ政府で言えば軍事目的でUFOを製造し、火星に有人基地を建造する共和党に対し、エイリアンの資料を公開すると発言したHillary Clinton元大統領候補、NASAの予算を大幅に削減し、中国の月探査を指を銜えて見てたBarack Obama元大統領、そして最も有名なアメリカ大統領はUFOの存在を公開すると言った翌年に暗殺された。宇宙開発そのものに否定的な民主党。Joe Biden新大統領が任期中に心臓発作で「自然な形で」倒れる事を願う勢力が居る事を忘れてはいけない。

本物であると言うエビデンスが無いモノを肯定しない、それは論理の摩り替えに過ぎない。私は偽物であると言うエビデンスが無いモノを否定しない、それが科学だから。X-ファイル、ダナ・スカリーの台詞「Mulder the truth is out there. But so are lies.」モルダー、真実は其処に有るわ、でも嘘もね。

宇宙人を認めた時、それはキリスト教を始めとする全ての宗教が崩壊する事を意味する。信じるか信じないかは貴方次第です。
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