ジャッキーケン

ファイティング・キッズのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

ファイティング・キッズ(1991年製作の映画)
3.9
スラム街に越してきた白人青年トミーライリー、父親の借金を返すために賭博格闘技に身を投じていく

Netflixがめっちゃ推す格闘技映画だから見てみたけど掘り出し物だった!

90年代のジュブナイル格闘技映画で「ネバーバックダウン」の先駆けとも言える
格闘スタイルは従来の「ロッキー」的なスタンダードなボクシングではなくストリートファイト寄り、でもブロンソンの「ストリートファイター」よりはモッサリせず体格が小柄なファイターが揃う本作ではスピーディ

違法賭博の格闘試合だけに姑息な手を使いまくる不法地帯で10カウント中にトドメの一発をキメるとかグローブに薬物仕込んだりとやりたい放題

アマチュアボクサーの主人公が路上で黒人たちと殴り合いしてるのをスカウトされて違法賭博格闘技の世界へと足を踏み入れるシンデレラストーリー

90年代フッド映画の匂いがプンプン漂うのが良い、イかれた黒人ボクサーを爽快にぶっ倒す!

キューバグッディングJr.扮する天才黒人ボクサーと白人ボクサートミーライリーが都会よりも酷いゲットーにおける人種の壁を超えてファイター同士の絆を作り出していく、それを利用して金儲けしようとするランボーの保安官がクソッタレ

試合を制するには
力ではなく戦略
弱いファイターは強いふりをし
強いファイターは弱いふりをする
本作における格闘技哲学をふんだんに展開に利用したファイナルファイトが見もの
そしてなぜボクシンググローブが開発されたのかもさりげなく試合中のうんちくで出てくるから勉強になった

ランボーではフルボッコにされてた保安官ブライアンデネヒーが本作ではラスボスとして登場、格闘技を牛耳る極悪プロモーターという格闘技映画の悪役ステレオタイプとして登場する良い味出してる
主人公とラストバトルは逆ロッキーザファイナル

超マイナーな格闘技映画だけど一見の価値あり