けーすけ

私をくいとめてのけーすけのレビュー・感想・評価

私をくいとめて(2020年製作の映画)
3.5
2020/12/29(火) T・ジョイPRINCE 品川 シアター2 18:20回にて鑑賞。F-11

31歳OLの黒田みつ子(のん)。もう何年も恋人はおらず“おひとりさま”の生活を満喫する毎日を送っていた。みつ子の脳内には「A」というアンサーを出してくれるアドバイザー兼イマジナリーフレンドがいて、何かあるたびにみつ子の味方となってくれる存在であった。
そんなみつ子は会社の取引先の営業マンである多田(林遣都)に恋心を抱いていた。みつ子は「A」のアドバイスを受けつつ自分の世界を広げるため、多田との恋愛を進展させようとするが・・・





綿矢りさ原作という事で、松岡茉優が熱演した『勝手にふるえてろ』がめちゃ良かったのでこちらも期待しておりました。


主演ののんちゃんがひたすらに可愛くて!透き通った黒い瞳、美しい横顔ラインが最高!!そしてほんの少しだけ舌足らずな声で繰り広げられる独り言劇の見せ方がとても良くて、まさにハマり役だったかと。
ただ31歳という設定だけど、全く見えない若々しさと可愛さに無理があったような気がします。笑
また、みつ子が恋愛から離れて、こじらせ女子になった経緯も劇中で語られるものの、トラウマ的要因としては弱い印象でした。


要所要所のエピソードや場面は面白かったりするのですが、どうしてもあれこれ詰め込んでつなぎ合わせた感があり、冗長に思えてしまって残念だったところ。
上映時間も130分超と長めで「そろそろ終わりかな?」と思いきや「続くんかーい!」と心で突っ込んでしまったのが3回くらい。もう少しコンパクトになっていれば評価も変わっていたかも。やはり小説を映像にして表現するのって難しい所が多々あるんだろうなあ。

それでもイタリアで友達の皐月(橋本愛)に会うシーンは別の意味で感慨深かったし、コロナ禍で海外へ旅行に行けない状況下の現在ではこういった海外シーンは貴重でありがたいなと思えた部分でした。



本作で一番大切なテーマとして描かれているのが“おひとりさま”。
みつ子は新たな一歩を踏み出したいけど、恋人を作るという事は一人でいる時間と場所が削られてしまうという事。そんな感情が「これでもか!」と爆発するシーンは凄まじかったです。そしてその直後に現れた「A」の姿が、かなり衝撃で、、、笑

夜中に階下から聞えてくるホーミーとか、みつ子の部屋のインテリアがかわいいとか、照明での感情表現とか、語りたい事いっぱいあったのに「A」の姿で全部吹き飛びました。


エンドクレジットに中村倫也の名前があり「うぇ?出てた???」と、一瞬なってしまった。Aのイケボが誰なのか気になっていたが、そういう事だったのか。



僕もすっかりおひとりさまには慣れてしまっていますが、みつ子のこじらせ具合がハンパなくて、あまり強く共感できなかったのが残念。
それでもキラッキラなのんちゃんが見られて楽しい映画でございました。


[2020-189]
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