脳内の別人格"A"と日常的に会話する、独り身に慣れ過ぎた女の話。
綿谷りさ原作だから『勝手にふるえてろ』感があった。脳内はどちらの主人公も似たようなもんだけど、今作の主人公の方が社会的には"上手く立ち回れている"のが違っていて、女性が社会的に上手く立ち回ることの苦しさを描いてるのは良かった。
『勝手にふるえてろ』の松岡茉優の演技も素晴らしかったけど、今作ののんの演技も凄い。
ただ恋愛部分について、見た目が圧倒的に可愛い主人公が受け身すぎるのが気になる。ビジュアルのリアリティは映画的補正をするとしても、おひとり様の時はのびのびとアクティブに動けていた主人公が、男と付き合うことで窮屈になっていく感じは、流石に主人公が受け身すぎるのが悪いだろって思ってしまった。
相手が悪くないと思ってるからこそ、その不満を脳内で完結してしまうのがこの主人公の不器用なところなんだけど、彼氏からするとたまったもんじゃないよ。
演技は凄いんだけど圧倒的に顔が良い女優がモテない女演じるのどうしても違和感が出ちゃう。せめてファッションとかでモテない雰囲気を出して欲しいんだけど、全てにおいて圧倒的に「のん」そのものだった。
多田くんの既読が早過ぎて、ホラー的な演出かと思ったら全然違った。
