dm10forever

現実を受け入れるべく夢を見るのdm10foreverのレビュー・感想・評価

3.5
【白昼夢】


先日鑑賞した「みなに幸あれ」の監督である下津優太氏が作成した短編ホラー。

「ショートホラーフィルムチャレンジ」でグランプリ輝いた作品でもあるという事で中々興味深い。


下津優太監督の作品って、まだそこまで触れたこともないし、何ならFilmarksを見ても「みなに幸あれ」とこの短編の2つしか上がっていないところを見ると、まだまだこれから出てくる監督さんなのかもしれないね(チェケラ)。


っていう感じで見始めたんですが、この短編は内容的にも撮り方にしても「みなに幸あれ」によく似ているので、もしかしたらこれはプロット版として作られたのか、あるいはこれを作った過程で長編の構想に繋がったのか・・いずれにしても「同じ監督が撮った2作」という事を考えると、何らかの関連はあるんだろうね(物語的な繋がりでなく、舞台設定という意味での繋がりね)。

何なら、とっ始めの玄関のカットなんかは画角も非常に似ているし、その後の家の構図も何となくにているし、人物のアプローチの仕方もよく似ている。

この辺は監督の特徴が現れているともとれるんだけど、その先のお祖母ちゃんの不穏な感じとか、リズムに会わせて踊り出すところとかは、やっぱり「みなに幸あれ」のパンケーキダンスにも通ずる部分だしね。

4分しかないので、「みなに~」ほど時間をかけてじっくりと不穏な感じを熟成するほどの余裕はなく、唐突に始まって唐突に終わってしまうため、いったい何事が起きたのかはわからないんだけど、不可思議現象についてはストレートに描いているので、わからないなりにも漠然と不気味な事態が起きているということは伝わってくる。

ラストについては賛否もあるところだろうけど、個人的には案外「わからなくもないかな・・・」っていう気はした。

ある意味「郷に入っては郷に従え」的な発送なのかもしれないけど、あの状況で変に抗っても自分に危害を加えられそうな雰囲気を感じたとき、もしかしたら「同化」してしまった方が危機を回避できるのかもしれない・・・・
いわゆる「空気になって存在感を消す」っていう発想ね。

主人公役の早乙女ゆうさんは始めてみたけど、なかなか雰囲気のある方で結構好きかも。

ずば抜けた何かを感じるというところまではいかない作品ではありますが、「みなに幸あれ」をみて下津監督に可能性を感じた方であれば観てみてもよいと思います。
4分だからそこまで負担にもならないしね。

お時間と興味がある方は一度ご覧になってみてください・・・っていうほどでもないか(笑)
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