演出としては、デイビット・F・サンドバーグ監督作品にかなり近い。
それに伴い、Jホラーの良さを上手く取り込んでいる。
全体的にはかなりの好印象を持てたのだが、
・鏡に映る女
・布団から這い出る手
この2点は完全にいらなかったかな・・・。
特に鏡に映る女。
布団から這い出る手に関しては、演出上仕方ないのかもしれないが、鏡に映る女は別だ。
基本的に人間は「よくわからないもの」に対して恐怖を抱くようになっている。(狩猟時代から人間に組み込まれた遺伝子。そうした方が生存率が増えるから)
幽霊や未解決事件・・・そして未来に対して恐怖を抱くのはこのためだ。
本作では、布団が膨らんだり移動したりと不可解な行動をする。
この「よく分からないもの」が視聴者に恐怖を与えているのだ。
しかし本作ではあろうことか、物語後半に、この「よく分からないもの」の正体が鏡を通して明らかになってしまう。
せっかくの「よく分からないもの」を明瞭化してしまうのだ・・・。
これでは恐怖が半減・・・いや激減だ!!!
しかも、布団から這い出る手と違い、この鏡に映る女は入れる必要性が全くない・・・。
何故わざわざ作品を劣化させるようなことをするんだ!!!
まあ1万歩譲って、これで鏡に映る女が世にもおぞましい姿をしているならいいが、そんなことはない。
D級ホラーで大量生産されている貞子もどきと同じような安っぽいヴィジュアルをしている・・・。
あーーー、もったいない!!!