りょう

僕と頭の中の落書きたちのりょうのレビュー・感想・評価

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)
4.0
経験したことないことを疑似体験できるっていうことが映画の醍醐味の一つだなって思える。認知症のことを「ファーザー」で疑似体験したように、この映画で統合失調症を少しだけ理解できたような気がする。本当に少しだけなんだと思うけど。

あんなに色んな声が聴こえて、色んなものが見えて、自分が陥れられているように感じる、孤独な状態。脳のバランスが崩れるだけでこんなにもなってしまうなんて。

告解の意義と、そこから始まる自分自身の受け入れ、他者の助けの受け入れ。自分の中にだけ答えや救いを求めずに、他者に答えや救いを求めることも大切だと。

最後、少し駆け足気味にハッピーエンドへ向かっていく感じだったけど、母親やポールのアダムへの思いの深さ、マヤの愛の深さに感動しました。

愛してくれている人の愛から隠れてしまうことがないよう、愛してくれている人の存在の有り難さを忘れぬよう、こういった作品と出会えてよかった!
りょう

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