コーディー

僕と頭の中の落書きたちのコーディーのレビュー・感想・評価

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)
4.0
まるでルームメイトの様な幻覚や幻聴に日々晒されるアダム。統合失調症を患う彼が誰にも理解されない孤独や恐れ、妄想に心を壊されながらも他者と、そして自己とのバランスを懸命に模索していく…夢や愛の可能性、病ではなく彼自身の秘密を思慮深く見つめる青春。大好き!

アダムの頭の中にだけ存在する3人の個性=幻覚による様々な助言。
精神疾患の複雑な影響を表現しながらも深刻になり過ぎず、それでいて彼の混乱への理解を深める巧いバランス。
そんな揺らぎの中で母や継父、そしてある秘密で深まる同級生マヤへの想いなど、不安定な心と向き合う様子が心に響いた。

不安に波立つ感情や傷みの伝わるチャーリー•プラマーの繊細な演技が素晴らしいし、マヤを演じるテイラー•ラッセルとの脆さ漂うロマンスも素敵。やっぱこの二人のナチュラルさ良いな〜大好き!
個性的な3人の幻覚も煩わしいけど割とユーモラスでバット振りかざす用心棒のオッサンとか最高やし、アナソフィア・ロブのめちゃくちゃ恋のアドバイスしてくれる幻覚も可愛い!

あと出演シーンは多くないけど、アンディ•ガルシア演じる神父さんの聖職者としてではなく、人間味あふれる懐の深さもなかなか良きでした。