CANACO

インファナル・アフェアII 無間序曲のCANACOのレビュー・感想・評価

3.7
1のレビューと同文
-----
警察v.s.マフィアのスパイ対決。各組織に属する有能な人物が相手側の一味となり、信頼を得るほど上手く活動する。そこで「善」と「悪」の入れ替えが発生。

スパイもののハラハラ感はもちろんあるが、「善と悪の入れ替え」による心の葛藤を丁寧に描いているため、単なるスパイアクション映画ではない、奥行きのある人間ドラマ、香港ノワールとなっている。

香港映画らしい映像美、「踊る大捜査線」のような警察内部のやりとりと友情、「アウトレイジ」のようなヒヤリとする残忍さと「ゴッドファーザー」にも通ずるマフィアのファミリー観が弦楽器のように奏でられながら終わりに向かう3部作。
-----

3作のなかで「ゴッドファーザー」「アウトレイジ」色が強い作品。時系列では1より前。ヤン(トニー・レオン)とラウ(アンディ・ラウ)の若い頃の物語が描かれている。

バカのキョン君は本作でも活躍しているし、ウォン警視は「踊る大捜査線」の室井さんクラスまで露出が増え、主役クラスに。サムはずいぶんと人情味増している。
2、私は嫌いではない。

同時進行でいくつものエピソードが進むので、盛りだくさんではある。1のほうがストーリーがスッキリとしていてメリハリが利いている観はあるが、奥行き・広がりが出た。
2のストーリーの中心的人物となるハウの存在がよかった。これだけ詰め込んだのに2がまとまっているのは、ハウが緊張感ある存在を保ちながら、マフィア社会の冷徹さと家族への愛をバランスよく演じていたのが大きかったと思う。

マリー姐もよかったなあ。
CANACO

CANACO