Ginny

Reframe THEATER EXPERIENCE with youのGinnyのネタバレレビュー・内容・結末

Reframe THEATER EXPERIENCE with you(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

もうこの点数になっちゃうよ……。

2019年秋、渋谷公会堂がLINE CUBE SHIBUYAとしてオープンするそのこけら落とし公演としてPerfumeが8日間、Reframeをパフォーマンスした。
このReframeは2018年の公演より、Perfumeの今までの歴史・データを再構築<Reframe>して今・これからに繋げていくとして始まった。
そのパフォーマンスの内容は普段多くの人の目に触れる歌番組出演や、ファンが大好きなライブパフォーマンスとは異なる仕上がりとなっている。
百聞は一見に如かずなので、多くの人にこのReframeも体験してもらいたい。
そう思える程に、Perfumeは新たな感動と体験を私たちにまたもたらしてくれた。

1曲目は『DISPLAY』。
Panasonic4K TVの店頭映像用として使用された楽曲。
Perfumeのキレキレかつ揃いに揃った精度の高いダンスと4Kという最新技術がぴったりマッチし楽曲自体のイメージも相乗効果で盛り上がった名曲。大好きなのですがライブではあまり披露されず。
その曲がReframeでどしょっぱつに来るということ。
もうそれは、歌い始めの歌詞を聞けばわかる。

「新鮮な体験と共に」。

一体これから何を見せてくれるんだろうか。
というか、今わたしは何を見ているのだろうか。

運よくチケット激戦の中10/22の公演、しかも前から8列目だか9列目だかで鑑賞してきたのだが…目の前で繰り広げられるパフォーマンスは今までに見たことのないものだった。
どこまでがデジタルでどこまでが生身のPerfumeなのか一瞬戸惑ってしまう程に作りこまれた世界がそこにはあった。

Perfumeのパフォーマンスを見るといつも思うのだけれど、一見ライゾマティクスさんの力を借りて、最新技術で魅せていると思われがちだろうけど、それだけではなく、それを完成して届けるまでに多くの生身の人間が支え、作りこみ、その上でPerfumeの3人が想像を超える完成度のパフォーマンスをその体で魅せてくれるからこそ、唯一無二のステージが出来上がる。それは最新技術の発表会ではないのだ。人間の挑戦を見せられているのだ。

Perfumeの3人は、2010年の初めての東京ドーム公演の時に、舞台に立つのは3人だけ、と決めた。(と私は記憶している、もしかしたらそれより以前からそう思っていたかもしれない)

他のアーティストを引き合いに出して、優劣をつけるつもり毛頭ないことを最初に言った上で言うが大抵はバックダンサ―だったり演奏者だったり主役アーティスト以外の大勢の人がいる。
でもPerfumeは3人だけ、を徹底している。
3人だけで何万人もの人々を惹きつけ、パフォーマンスし続ける。

でも彼女たちは言う、毎回ライブで絶対言う。
大勢のスタッフの人たちのおかげで立てていること、そのことへの感謝、そしてファンのみんなにも労ってほしい、と。
時に真面目に、時に茶化して(笑)
彼女たちはいつも感謝の気持ちを忘れない。

そんな素直な彼女たちだからこそ、そしてパフォーマンスに一切妥協しない姿勢を見ているからこそ、大勢のエキスパートが裏で支えたいと思うのだろう。
チームPerfumeの繋がりの強さを改めて本作を見て感じた。

今回この映画鑑賞で初めて経験したのが「UDCast」というアプリ。
❝「UDCast(ユーディーキャスト)」は、字幕や手話を画面に表示したり、音声ガイドをイヤホンから流すことができるアプリケーションです。❞(公式の説明より引用)

副音声が2種類、Perfume3人のものとライゾマティクスの真鍋さん石橋さんのもの、そしてバリアフリー音声ガイドが用意されていた。
私はPerfume3人のものをチョイス。
あらかじめアプリに該当データをDL。アプリ自体のマイク認識がONになっていることで映画の音をアプリが認識したら副音声が開始されるという仕組み。
アプリは常に起動中でなければならないが起動中は画面が自動的に暗くなるので映画館で携帯を使う輩がいようものならその光が邪魔で殴りにいきたい私でも大丈夫!

映画を見ながら映画本編の音でないものを聞く、イヤホンをしながら映画館にいる、というのは初めてだったけれどとっても楽しめました!
Perfume3人のフリートークは聞いたことある人はもうご存じでしょうが抱腹絶倒必至です。もう、ほんとに、やばいです。
テレビ番組とかスチール写真で見ると、まー、みんなお綺麗ね、あ~ちゃんが中心的にお喋りしてのっちはおとなしい美人さん?かしゆかもおとなしそう、なんて一見思いそうですが、本来の3人は全然違います(笑)
止まらないマシンガントーク。そこらへんの女子トークですよ笑。
本編では感動シーンなのに副音声でそれに対して爆笑ツッコミなんてしてるもんだから、こっちはお腹震わせて笑ってました。副音声で「笑うの我慢してる?w」とか煽ってくるから余計笑うw

これ、慣れていない人はもしかしたら引いてしまうこともあるかもしれないけれど、こちとら2009年からファンクラブP.T.A.会員でして、マイペースに応援し続けてきたのでマニアック知識はないけれどただただ見守ってきたのでわかっています。
人を楽しませたいパフォーマーな部分と、等身大の女の子・女性な面があり、ちょっと恥ずかしくなったり茶化したり。
それで3人笑いながら、でも決めるところは真面目に取り組んで努力して磨き上げてってやってきたのですべてをひっくるめてPerfumeで、そして愛しいんです。


一度実際に見せてもらったReframe公演。
NHKでのテレビ放送。
そして映画での低音響く中のゆるふわ爆笑副音声。
何回も楽しませてもらっています。

普段のライブとは違う選曲やパフォーマンスなので、こちらも普段ライブで聞く時と少し違う思いの馳せ方や今までの記憶が蘇ったり…ファンとしてもReframe。曲への印象が変わったりね。
Perfume、チームPerfumeにとっても挑戦的なチャレンジで、それをしっかりファンも受け止めるチャレンジをして、よい公演だったと思います。

ベストアルバム「PCubed」に唯一の新曲として収録された「Challenger」がReframe公演で初披露されました。
この曲は、Perfumeが中田ヤスタカプロデュースとなる前、Perfumeと中田ヤスタカを結び付けた楽曲を改めてこのタイミングで中田ヤスタカが作りなおしたもの。
歌詞は号泣必至です。

副音声で、のっちがライゾマの人とかスタッフさんと話をする機会はそんなに多くないのに、やっていく中で少し話すだけで深いところまで理解し合えるといったようなことを言っていました。(間違っていたらごめんなさい)
この関係性は中田ヤスタカとPerfumeの間にも見られると思います。
交わす言葉は少なくても伝わって理解し合える。

Perfumeを見ていると、多くの人に愛されていることが伝わる。より良いものを作りたいと才能ある人が何故Perfumeのもとに集結したのか、才能ある人たちがPerfumeのことを強く尊敬していることがPerfumeのパフォーマンスを通して伝わってきます。
今では裏方の人たちへのインタビューを読む機会もあるからよりわかるけれど、舞台で3人しか立っていなくても、その完成度を見ればスタッフの人たちの想いがこちらまで伝わってきます。
そういう、口数少なに、想いを込めて伝える・伝わるPerfumeの周りの世界が大好きです。

そしてもう、何よりも3人に感謝だなと改めて思いました。
涙で画面がぼやけながら副音声で笑いながら。
何度も今までも思ってきた、もらったものが多すぎて返せない。
どうか、私たちファンのPerfumeを愛している気持ちがヴェールとなって、Perfumeを包んでこの世のいろんなものから守ってくれますように。
そして、彼女たちがくれた幸福に対して恩返ししたい気持ちが実を結び彼女たちへ幸せとなって降り注ぎますように。
Perfumeの3人が望むことが叶うよう願います。
Perfumeの人生を応援しています。Perfumeの3人が幸せならそれが何よりです。

という境地に達するほどに尊い時間でした。
Perfume大好き!

映画としての感想じゃなかったかもですが…。
映画として編集、カメラワークどれも良かったと思います。
実際に会場で見たときにはわからなかった引きの映像や、観客席も映る構図など映画ならではの映像が良かったです。
副音声で言われて初めてようやく気付けたのが照明の美しさだったのですが、その照明が衣装に、舞台に映える光景がしっかり収められており見応えありました。
Ginny

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