ゆのは

ボヤンシー 眼差しの向こうにのゆのはのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

最後ネタバレ注意。

軽いノリで観たら重すぎて鬱。
過激な描写こそ少なかったものの、
内容は酷くえぐすぎる。
想像しただけで気分が滅入る。

しかし、観る価値はある。
特に、平和ボケした我々にとって
知っておくべき現実だと思った。

世界のどこかでは、
このような惨劇が
日常的に行われている。
誰か1人の力では
どうにもならないが、
現実を知らないまま過ごすほど
恐ろしいことはない。

自分で書いといてなんだが、
そもそも上記の
言葉にも語弊がある。
"世界のどこかで"と
あたかも自国は関係ない
というように書いてしまったが、
これらの惨劇によって
作られるものは
私たち庶民が需要する
日用品や食品である。

劇中の強制労働で
作られていたのは
ペットフードだった。
つまり、これは決して
他人事ではない問題なのである。

では、誰も苦しまずに
世界システムを
成り立たせることは
できないのだろうか。
国同士の格差もあれば、
その国の中でも格差は存在する。
ここで描かれる強制労働に限らず、
人々の人権を脅かす
世界のあらゆる問題は、
未だに存在し、
とても一筋縄で
解決できるものではない。
しかし、より多くの人が
それらに意識を向けることは、
直接的な解決には
繋がらなくとも必要である。

主人公の少年が負った
心の傷はこの先も深く残るだろう。

映画そのものは
フィクションなんだろうけど、
描かれる世界はリアルであり
説得力のある内容だった。

社会派ドラマとして
非常に見応えのある作品である。
ゆのは

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