開明獣、巨匠に挑戦の巻😳今回はドイツのウルリケ・オッティンガー女史❤️
闇の都市TOKIOの中でも、最も邪悪な街、死武谷のオアシス、ユーロスペースで特集上映の予告を観て気になっていたが、そこにフィルマ七賢人の1人、フォロワーのbennoさんから、「3日以内に観ないとジャーマンポテトになる」との御宣託を受け、てちてちと劇場へ🎦
オッティンガー作品を観たくなったもう一つの要因は、小説家の多和田葉子が推していたこと。村上春樹と並んでノーベル賞に最も近い日本人作家の多和田葉子は、ドイツ語でも小説を書き、賞も獲っているまさに国際派の最先端。米国で、全米批評家賞と並ぶ権威ある文学賞、全米図書賞の翻訳部門でも受賞するなど、日本人作家としては頂点にあるような存在📕初期の作風は、今の村田沙耶香のように、グロテスクな美の中に人間存在の本質を問うものが多い。余談ながら、日本は、紫式部以来の伝統なのか、金子多恵子、笙野頼子、村田喜代子、山尾悠子、小川洋子、川上弘美、上田早夕里、川上未映子、前述の村田沙耶香とこの多和田葉子と、文学系の小説家の層がとても厚い。
その多和田葉子が、オッティンガーと交流があって本作の推薦文を書いているのが、本作を観るダメを押してくれた。購入したパンフレットにも寄稿をしてくれており、大変勉強になったものである。
本作は、
「何これ?わけわからん!つまらん!」
「何これ?わけわからん!オモロー!」
の二通りに分かれると思う。それはもう、いい悪いの話ではなく、好みの問題😌
お酒大好きなお姉さまがベルリンに乗り込んで、ひたすら浴びるほど飲みまくる🍺ただそれだけのお話し。キッチュでビザーレ、スタイリッシュでアヴァンギャルド。何しろ主人公は、一度歌を唄う以外は、一切の台詞を発しないのだ。
オッティンガーは、ベルリン生まれではないが、この都市に特別な想い入れがあったようで、これを含めて3作を獲っている。「ブリキの太鼓」のように、ゲルマンの奇想は、どこか底の知れぬ不気味さと端正さがあって面白い。時にバッハが、時にクラフトワークが、時にタンジェリン・ドリームが、時にカンが聴こえてくるような作品だった。
オッティンガーは、近年はアジアを題材としたドキュメンタリーを撮っていて、日本のものもあるという。別の特集上映で、是非観てみたいものだ😊
My best gratitude to benno-san