Omizu

TOMMASO/トマソのOmizuのレビュー・感想・評価

TOMMASO/トマソ(2019年製作の映画)
3.6
【第72回カンヌ映画祭 特別上映作品】
『アディクション』『マリー〜もうひとりのマリア〜』のアベル・フェラーラ監督作品。ウィレム・デフォーがフェラーラの分身とも言える世界的アーティストを演じている。

アベル・フェラーラ作品はこれが初めて。大好きなウィレム・デフォーも出てるし…とそのくらいの期待値でいたら意外と楽しめた。

ウィレム・デフォーが父として、夫として、はたまた一人の人間としてのパーソナルが引き裂かれていくのを見事に演じている。これはデフォーではなければ成立しない作品だろう。

彼の不安や抑制された怒りが表出したような幻想シーンはなかなか絵になる。心臓を差し出すシーンはゴヤの黒い絵みたいだなと思った。

カメラワークもデフォーに非常に密着しており、極めてパーソナルな演出が効いている。
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