ぼっちザうぉっちゃー

ARIA The CREPUSCOLOのぼっちザうぉっちゃーのレビュー・感想・評価

ARIA The CREPUSCOLO(2021年製作の映画)
-
J.C.STAFFのパキっとした色味と、シュッとしたキャラデザによってなんだか美麗な感じに仕上がっていた。

口下手で不器用なオレンジプラネットの面々を軸に、「歪な子」らの心中が語られるのがグッと来た。
それと同時に描かれるのは、大人になる事の「つまらなさ」、ドキドキやワクワク、夢を忘れた寂寞感。
色んなものを知るがゆえ、見えるがゆえの余裕が、自分から作り出す楽しさを教えてくれもする。けれども実際プリマ(大人)になったアリスやその他の大人たちは、余裕を持ってばかりでもいられない。
いつだって、人の営みはままならない。

このような渋みを持ったエピソードでありながら、ラストにおいて提示されたのは、ありふれていて、でも間違いなく一つの原風景。
昇ってくる朝日を受けて後ろを振り返り、「さっきまでいた夜が、あんなに綺麗」と言う。
このシーンに、人が生きる時間のすべてが詰まっている気がした。