あさのひかり

希望のカタマリのあさのひかりのレビュー・感想・評価

希望のカタマリ(2020年製作の映画)
4.1
家がなく母親とバスに寝泊まりするアンバー。そんな彼女だけど、高校でもバイト先でも明るく前向きに学生生活を送り、夢だった演技学校へのオーディションも自分の力で勝ち取ったはずなのに、不安定な生活が足枷となって・・。

こんな暮らしをしているからこそかな、アンバーは自立心が強くて、人から助けられることを是としなくて、何でもできるだけ自分で何とかしたいと思っている。その気持ちも大事だけど、もっと大事なこともあって。でも、彼女はなかなかそこを認めることができなくて。

そんなアンバーを理解して、必要な応援したい人達はたくさんいる。その気持ちを受け取っていくことの大切さと難しさ。受け取るには、相手の優しさを信じることも必要だけど、今まで十分助けを受けられない状況があったからこそ、その勇気を持つのが難しい、ってこともあったと思う。

そんな彼女がみんなに背中を押され、少しずつ周囲に心を開くことで迎えた結末は思いがけずまた温かく、涙なしには観ることができず。思いの外ぐいぐい引き込まれる良い作品に出会えて良かったな。
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