エイデン

パスワード:家のエイデンのレビュー・感想・評価

パスワード:家(2018年製作の映画)
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親友のラファから食事会の招待状を貰ったIT技術者のダビッドは、懐かしい面々と再会できると、妻のサラを連れて指定された田舎のペンションへとやって来る
主催者のラファとルシアのカップルに出迎えられたダビッドとサラは、先に来ていたジュリアとその恋人リカルドとも挨拶していると、最近恋人と別れたというモニーも合流
日が暮れるとダニーとその恋人エバも到着する
ラファやダビッドを筆頭に、優秀な情報処理サークルで活躍していたルシア、ジュリア、モニー、ダニーらは、最新技術に関する話題で盛り上がっていく
そんな中、ネットワークに精通するラファは、全ての無線LANに侵入できるようになったと自慢し、隣人17軒のネットワークを覗き見していると言う
昔から悪戯好きだが明晰な頭脳と愛されるラファは悪びれる様子もなかった
いつしか話は情報セキュリティとその危険性についての話題に移り、その証明のためとラファとダビッドはたった5つの質問を通して、メンバー数名のパスワードを当ててみせるのだった
その後、ラファはダークネットを通してアノニマスや、ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジとも接触していると語る
そこから話はアサンジの“インシュランス・ファイル”に移り変わっていく
インシュランス・ファイルとは、万人がアクセスしダウンロードできるものの“AES-256”という非常に強固なセキュリティに守られており、アサンジが自分の身に何かが起きた際にのみパスワードが発行され、中を見ることができるという3つのファイルのこと
その中の350ギガバイトもの容量を持つファイルは、公開されれば世界に脅威がもたらされると噂されていた
中身は一体何なのかと皆が想像を膨らませる中、ラファはインシュランス・ファイルの解読に成功したと明かし・・・



とある秘匿されたファイルを開いてしまったことから始まるスリラー映画

IT知識に秀でたキャラクターと題材で最後まで勢いよく進むIT系映画
IT知識のうんちくやら警鐘にもたっぷり時間を使い知的な会話劇が展開する前半と、実際に物語が大きく展開する後半でグイグイ引き込まれる作品になってる

ネタバレになるかもだけど、題材になってるのは未来の光景を見ることができるという拡張現実アプリ
それで未来の恐ろしい光景を見てしまった一行が、それを止めるために話し合うというもの
雰囲気的にはゲームやアニメで人気になった『STEINS;GATE』みたいな感じ
前半は興味深いながら、やや悠長に感じてたけど、後半の伸びがかなり良い

家の中と拡張現実アプリのみで構成される低予算インディーズ映画だけど、事細かに伏線も貼られており、不穏さの残るオチまで脚本がよく練られているのを感じさせる
アマゾンプライムでしか観られないというハードルはあるものの、知的で面白い作品に仕上がってるので観ましょう
ちなみにTwitterで『パスワード:家』に関して呟くと、凄まじいエゴサ能力を持った映画の海外公式アカウントからリプが届くぞ
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