ノマドランドのKakutani角谷のレビュー・感想・評価

『ザ・ライダー』は自然と共に生きる人間の叙情性に酔えるという甘さ、がありその良い意味での甘さがツボにはまったのだが、ドキュメンタリータッチの本作では、前作より視聴者を突き放していく作風で私的にのめり込めなかった。
このご時世、こういう題材で撮ったら、インテリ批評家の絶賛を集めることが出来るだろう、という感じの監督の計算が垣間見える点も好感は持てなかった。
貧困層の人間の精神性の貧しさを見世物的に描く、といったポルノ風の方向性に走らなかったことは良かったのですが。