このレビューはネタバレを含みます
本屋さんのノンフィクションコーナーでノマドについてを見掛けてから、この映画を観たいと思っていた。
ぼんやりとしか彼ら彼女らの生き方を理解していなかったなと痛感。
理解し切れることなんてないけれど。
冒頭で先生はホームレスになったの?と少女に聞かれる。
どう違うのか?
家を持たない、という意味では同じであるが、何故だろう、ホームレスという言葉に差別的な意味を感じている自分に愕然とした。
違うわ、と先生と呼ばれた主人公は答える。
冒頭ですぐに考えさせられる現代の問題。
社会に弾かれてしまった。
寄る辺が一切ないわけではない人もいる。
どこでも家が最善というわけでもない。
コミュニケーションが困難なわけでもない。
働く先はどうにか見つかる。
でも金銭的に余裕ではない。
自由もある。
孤独もある。
日本に生きていて、視野が狭くなっていることを実感する。
映画最後の語らいで、
私たちは「さよなら」を言わない、
いつも「またね」と言って別れる、
だからいつかまた会える、
そういう静かな思いが、たまらなく愛しい。