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ノマドランドの010101010101010のレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.6
あまりにも自分に正直すぎる人(たち)なんじゃないかな、と思ったりする。
ずっと物悲しさが覆っていると同時に、風景の美しさが沁みてくる。

ノマドだからこそ、見える景色がある。触れられる人の温度がある。
むろん、厳しい生き方だ。でも、そうでしか生きられない人たちだ。
時に、そこから離脱する人もいるし、そのまま消えてゆく人もいる。
出会いがあり、別れがある。でも、さよならがない、ということ。じゃあ、またね、またどこかで、ということ。
そして、自分の中で、生きつづける人との、同行二人…。

思い出の場所に一度、戻るのも、よかった。

ところで出演者のほとんどが本物のノマドとのことだが、途中で出てきた、ピアノ弾き語りのやぶれかぶれの男の演奏に、ぶったまげる。
こんなキャスト、よく見つけてきたな、と思ったのだが、いやはや、実際にああいう演奏をしながら旅をしている、おそらく飲んだくれのノマドなのだろう。
生で演奏を聴いてみたい、と激しく思うが、それは不可能に近いのだろう。