去年の年末に見た『画家と泥棒』という映画が「ノンフィクションのはずなのに限りなくフィクションに近い」という印象だったのに対し、「フィクションなのにドキュメンタリーにしか見えん」という映画である。プロダクションノートを読んでいたら、本人役で出ているボブ・ウェルズ氏がフランシス・マクドーマンド演ずるファーンの身の上話を事実と思い込んで本気で同情されかけて、慌てて劇映画だということを説明したという話が書いてあったけど、ドキュメンタリー映画と劇映画を隔てるものは題材ではなく作り手（監督やカメラ）の意識のあり方ではないか、という思いを強くするのであった。
それにしてもアメリカってあんな広いくせに、駐車場で車停めて長居しようとすると日本と同じように文句言われるのね。世知辛いなあ。
