叡福寺清子

恐怖ノ黒電波の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

恐怖ノ黒電波(2019年製作の映画)
2.8
「ヒャハ…!! 電波だよ電波ァァ!!電波電波電波電波電波電波電波電波ァァァ!!電波からは、逃げられねぇぞぉぉぉ!!」とペルソナ罰で叫喚したのは須藤竜也でしたね.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.

トルコってそんなにマスメディアの浸透が遅いのですか.それとも寓話故の設定事項なんでしょうか.さすがに今どきブラウン管TVって事はないでしょうから,あくまでお話として国営放送チャンネルが開局って事でしょうね.そもそもの住宅事情だって,あきらかに70年代や80年代に想像された管理社会のそれでしたものね.
その管理社会が,国民を制御するために繰り出した邪悪なものの象徴が黒い物.本作においては大活躍でしたが,実際問題としてあぁやって目視できる形で拡散されてれば,世の中随分と楽なんですけどねぇ.SNSに日常的に展開される流言飛語,出処不明な怪情報,ステルス増税や正論モンスター等々あらゆる形で,市井の人々の生活を脅かす毒電波.その毒電波からは誰も逃げられないのでしょうか?本作の結末のように・・・

ってな感じで現代社会を批判的に捉えた本作ではありますが,中身としては本作のほうがよほど毒じゃねの?と思っちゃうほどにつまらないものでございました.えぇ,当然ながら1.4倍速の刑に処しました.本作の重要要素である間が蹂躙されちゃいますが,こっちとしては知ったこっちゃねぇでございます.

あと終盤に登場したのっぺらぼう.匿名性の象徴でしょうが,アラ還男子といたしましては,マグマ大使の人間もどきを連想いたしました.その解釈でも間違えじゃないんでしょうけどね.