ヒチ

灰の車輪のヒチのレビュー・感想・評価

灰の車輪(1968年製作の映画)
2.8
俗世に疲れた足フェチの男が神秘主義に傾倒するもなかなか俗世の快楽から逃れられない話。神秘主義の教えを暗唱したと思ったら次の場面ではバーで女の子の足を眺めてたり、瞑想に集中するため彼女と別れたと思ったら次の場面では女の子の足を想像してオナニーしてたりと禁欲と性欲の葛藤が忙しい。ラーマクリシュナの本を読んでたのに別の場面ではチベットの僧になった自分を想像してたり、後半では部屋に十字架を置いてたりと思想面でもだいぶ迷走してることが伺える。あと瞑想はともかくあのシャドーボクシングは何やねん。

後半主人公が神秘主義にのめり込んでくると精神的にゴリゴリくる描写が増えて、特に悪夢の様なイメージが連続する場面はなかなか迫力があった。最後は一応ハッピーエンド?なのだけど主人公の何処にも行けない閉塞感が全編に漂うヘヴィな映画。
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