ゴリアテの憂鬱

最前線のゴリアテの憂鬱のレビュー・感想・評価

最前線(1957年製作の映画)
3.9
朝鮮戦争の最中、敵の攻撃により大部隊から逸れたベンソン中尉率いる十数名のアメリカ軍小隊にフォーカスした話。

戦争ともなると本作の小隊のように、様々な状況下にあって必死に最善を尽くそうとした部隊が数え切れないくらいたくさんあったのだろうな、と胸が痛くなりました。

ひとつの小隊をクローズアップしていることで、戦争という状況下でのイチ兵士ごとに異なるそれぞれの生き方や考え方というものがより浮き彫りになってリアリティを持って伝わってきます。

中尉が亡くなった同志達の名前をノートを見ながら(全員の顔と名前がまだ覚えられていないというあたり即席の小隊だったのでしょう)読み上げるラストシーンは、そのノートを持つ中尉の右手とその声になんとも言えない無念さが表れていました。