Mariko

最前線のMarikoのレビュー・感想・評価

最前線(1957年製作の映画)
4.4
朝鮮戦争の前線で孤立した米軍小部隊の撤退戦もの。
catmanさんのレビュー見るまで存在すら知らなかった。

登場人物はほぼ小部隊の10数名と途中で合流する謎の二人連れ(この心身喪失状態の大佐が実にいい)のみ、舞台もごく限られているというミニマリズムの極みみたいな戦争ドラマだけれど、煽ってるわけじゃないのに、とんでもない緊張感がずっと続く凄み。戦場でどこに敵が潜んでいるかどこに地雷があるかという静かな緊張感の中でパニックに陥って突然騒ぎ出したり走り出しちゃったりする兵士の気持ちを疑似体験できるかのよう。
兵士が一人減り二人減り、するうちに全滅しちゃうのかと思いきや、残された中尉と冷徹な軍曹が最後に突撃するのに火炎放射器(!)持ち出したところのダイナミズムの変化が凄い。

病弱そうな歩兵ズウィックリーが、後のサンダース軍曹(ヴィック・モロウ)だったことにエンドクレジットで気づいた時に思わず「えええ!」と声をあげた笑。

地味な傑作。
Mariko

Mariko