工藤蘭丸

ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償の工藤蘭丸のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

これは一昨年のアカデミー賞で、作品賞を含む6部門にノミネートされ、助演男優賞と歌曲賞を受賞したんだけど、日本では何故か劇場未公開に終わってしまった作品でしたね。FBIや警察の組織的な犯罪を描いた、実話に基づく作品なので、ひょっとしたらどこかから圧力が掛かって公開できなかったんじゃないか、などと勘繰っちゃいますよね。(^^;

1969年にFBIによって暗殺されたブラックパンサー党の幹部フレッド・ハンプトンと、党に潜入してFBIに情報を流していたビル・オニールを、キリストとユダになぞらえて描いた伝記映画。

マルコムXやキング牧師の暗殺を受けて、黒人たちを守るために立ち上がったのがブラックパンサー党だったようで、貧困層の子供たちに無料で朝食を提供したり、治療費が無料の診療所を作ったりして、社会奉仕活動を行っていたようですね。

にもかかわらず、FBIはテロ組織というレッテルを貼って潰しにかかっていたようで、人種問題のみならず、赤狩りも絡んだアメリカの負の歴史が描かれている作品でした。

助演男優賞を受賞したダニエル・カルーヤは、主演と言っても良いぐらいの役柄でしたかね。一応、スパイをやった本人のインタビューで締めているので、裏切った側が主演という位置づけなんだろうけど、印象的には真逆でした。