オレオレ

ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償のオレオレのレビュー・感想・評価

2.5
1960年代、MLKが殺された後のアメリカ。
シカゴで活発な動きを見せるブラックパンサームーブメント、その支部長暗殺に関わったFBIのインフォーマントの話。
主役3人が頑張ってるが、テンポが悪いしちと長い。

FBIを語り、車を盗もうとしたケチなチンピラのビル(ラキース・スタンフィールド)。
FBI捜査官のロイ・ミッチェル(ジェシー・プレモンス)は、刑務所送りの代わりに、ブラックパンサーの内偵をするインフォーマントになれとビルに持ち掛ける。迷うものの、「車くれるなら」と承諾するビル。
この気軽さとその結果の重さが、実際の彼のインタビュー後の行動にもなったんじゃないかと思う。

FBIのターゲットはフレッド・ハンプトン(ダニエル・カルーヤ)。
スピーチの上手さ、カリスマ性が一流で、人種を超えた共同体、「レインボーコアリション」を作って既得権益に対抗する運動を展開している。

2年弱前にいなくなったMLKの後を継がせてなるものか、と必死なFBIのフーバー長官(マーティン・シーン)。
これがいらん。メークアップがひどすぎて気が散るのが一番の理由だが、フーバー本人を出す理由もわからん。あの、ロイとフーバーの意味わからん会話もいらん。
この辺を削って、2時間以下に収めたほうがテンポがよくなったんではないか?

あと、ビルが主役なんだが、いまいち「チンピラ度」が抜けきれず、FBIとブラックパンサーの間に立って板挟み、しかエモーションの揺れがない。
そこがポイントっちゃあポイントなんだが、しつこく繰り返される、「もうやだよ俺」「いいからやれ。刑務所送るぞ」がイライラしてくる。

映画の最後、ビル本人のインタビュー映像、それぞれの登場人物のその後などが文章で述べられるが、映画本編にそれ入れろよ!って思った。
最後の文章のほうがよほど密で面白いってどうなん・・・