リーズ国際映画祭にて。
いきなり本題に入るので、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争やスレブレニツァ・ジェノサイドについて多少頭に入れておいたほうがいいかもしれない。
ジェノサイドは実際にあったことだけど、鑑賞後に検索したらどうもあの主役の国連通訳者は架空のキャラクターのようだ。
国連が守ってくれるはずのエリアに逃げ込んできた大量の市民たち。その人数の多さを見せるシーンもあったが相当の人数。国連側も人手は間に合わず、対策もきっちり固まらずの様子。
そんな状況で現地の国連の保護キャンプ内で通訳の仕事をしている主人公は、キャンプ外の群衆の中にいる家族が心配で仕方ない。
そりゃ仕事どころじゃないだろうと思う。彼女の取った行動も良し悪しは別として心情的に理解できる。でも国連のキャンプをまとめているリーダーの言うことも十分わかる。
家族が心配、助かりたいというのは他の市民も同じ。彼女だけ特別扱いするわけにもいかない。
こうなったらどんな手を使っても助けようとするわな。
実際に起きたことだから後半の展開はわかっている。それにもかかわらず、見ている方は緊張感と恐怖が同時に襲ってくる。
余計なことを省き、シンプルに通訳者の目を通して事件の恐怖と絶望を描いていた。