ユーゴ内戦ではセルビア人が悪者として語られたり、作品中扱われることが多いけど、一つの出来事を切り取るとそうなってしまうが、全体で見ればそうとも言えない。もちろん、ムラディッチのような悪人もいたけど、セルビア人みなが悪人なわけはなく、クロアチア人にもムスリムにも冷酷なリーダーはいたわけで。
かつての隣人、友人、はたまた親戚が今日は敵。
そのかつての仲間を殺す、殺される、疑う、騙される、レイプ、略奪…。
そんな戦争の最中、生きる希望なんて見出せるかな。自ら命を絶つ選択をした人も多かったんじゃなかろうか。
かの戦争は、旧ユーゴ、ボスニア・ヘルツェゴビナの人々の心に現在もどれほどの闇を残しているんだろうか。
回想シーン中のダンス、最後の子ども達のダンスでそう思った。
もう忘れた、克服できたと思っていても、ふとした時に甦ったりするんじゃないだろうか。
ムラディッチの狡猾さがよく表されていたし、それに対してオランダ軍大佐の非力さが余計に目立ってしまったけれど、
国連軍の一部として動くしかなく、しかも現場では刻々と悲惨な状況になっていくなか、なすすべはあっただろうか。
とにもかくにも戦争はもう結構です。
戦争を引き起こすor止められないのはときの為政者による。
今日は奇しくも総裁選の日。