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アイダよ、何処へ?のsaskiaのレビュー・感想・評価

アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)
4.2
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1995年、多数のイスラム教徒が虐殺された事件「スレブレニツァ・ジェノサイド」。
国連平和維持軍で通訳の仕事をするアイダのお話。

冒頭からアイダが自分勝手で
自分の家族だけを助けようとしている姿にイライラしたけど、だんだん彼女がなぜそこまで必死になるのか分かってくるし、家族を守る為に奔走するアイダにだんだん感情移入していた。

恐ろしい行為が行われた建物の隣で遊んでいる子供たちが映されるシーンはただただ虚しかった。
これがたった30年前の出来事なんて信じられない。日本でもニュースが流れていて私もそれを目にしていたのだろうか。

私のようにボスニア戦争のことを何も知らない人たちにはドキュメンタリーのようでとても良い作品だと思う。

とにかく国連の無力さには絶望した。
何も機能していない。

家族を助けたくて、我が子を助けたくて、一生懸命なアイダを通して追体験しているような気分になった。
誰もが彼女の立場になって虚無感に打ちのめされると思う。

アイダは何処へ行けばいいのだろう。
何処へ行けば良かったのだろう。
何処に行っても同じ結末かもしれないと思うとやるせない。

ボスニアは年に1本の映画しか製作されないような国らしい。それだけに監督の思い入れを端々で感じたし、この作品を作ってくれたことに感謝したい。
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2023/𝒩𝑜40◡̈*✧🌛☽・:*
おうち映画𝒩𝑜.40☪︎*。꙳
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