メザシのユージ

アイダよ、何処へ?のメザシのユージのレビュー・感想・評価

アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)
5.0
----
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下の1995年、セルビア人勢力に占拠された東部の町スレブレニツァ。国連平和維持軍の通訳として働くアイダは、勤務中に重要な情報を知る。セルビア人勢力が基地にまで迫る中、アイダは助けを求めて押し寄せる同胞や家族を守ろうと奔走する。
----
第二次世界大戦後のヨーロッパで最悪の紛争となったボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1995年、多数のイスラム教徒が虐殺された事件「スレブレニツァ・ジェノサイド」を題材にした社会派ドラマ。

「スレブレニツァ・ジェノサイド」とは?
スレブレニツァに住むボシュニャク人の男性すべてを絶滅の対象とし、8,000人以上が組織的に殺害されるスレブレニツァの虐殺が引き起こされた。

主人公アイダは国連で働いていて、家族を守るために奮闘する。しかし、国連軍に参加していたオランダ軍の失敗もあり事態は悪い方向へ。ボスニア・ヘルツェゴビナで紛争があったのは理解していたが、約30年前にこんなに酷いジェノサイドがあったとは。

映画の役目の一つに、それまで知らなかった事をスクリーンを通して体験できるがあると思う。歴史に学ばない者は同じ過ちを繰り返す。「スレブレニツァ・ジェノサイド」を体験できたのはとても意義があった。

映画終盤、紛争が終わった後の学校の様子が映し出されるがそこで何を思うか。被害者と加害者が隣同士になるなかで生活していくことになるのはどういった気持ちなのか。
観ていて辛い映画、でも観るべき映画。