SORA

私というパズルのSORAのネタバレレビュー・内容・結末

私というパズル(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭のリアルなようで、全然リアルじゃないと感じる出産シーン(そもそも映画とかの出産シーンって脚色し過ぎなものしかない)から、死産した夫婦の様子が描かれていくんですが………。
私自身流産経験者ですが、共感できる要素も多かった(個別性が高いので、勿論共感できない部分もたくさんありました)。子供はいなくても変化し続けたままの体、外で出会う子供は元気なのに私の子供は?、何処か世界と壁のようなものを感じて、無になる感覚はよくわかる。妙に冷静になるというか。
周囲の人達に、怒ってほしいわけでも同情してほしいわけでもない。不思議な対応をしてくる人を、覚めてみてしまうというか。言葉ではなかなか言い表せないけれど、主人公の空虚を見るような視線は胸に刺さった。
この映画は、主人公の気持ちより周囲のことに焦点か当てられてる気がします。自己中心的な夫、毒親の母親、無神経な妹の彼氏?、無関心な従姉妹‥‥‥‥‥など彼女を取り巻く様々な人が出てくるのですが、その全員に苛立ちを感じてしまいました。
中でも、死産を乗り越えるために助産師を断罪しよう!っと躍起になる二人を見ていると怒りを覚えてしまいました。

この映画を見て改めて思ったことは、妊娠・出産が当たり前のようにできると思わないで欲しい。命がけの出来事だし、一つ歯車が狂うだけで命が消える。すべての人に妊婦さんに対する敬意を持って戴きたい。また、これから出産を考える方は、是非選択肢の一つに新生児医療のできる病院を入れてほしい。
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