りょう

私というパズルのりょうのネタバレレビュー・内容・結末

私というパズル(2020年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

M:Iシリーズでホワイトウィドウを演じるヴァネッサ・カービーの演技が印象に残りまくり、他の作品も観てみたいと思って鑑賞。

冒頭は家庭内での出産シーン。リアルすぎてヴァネッサ・カービーさん出産経験したことあるのかと思ったら、そうでもなさそうですね。男の視点で観ると、こういう時の男の「何にもできなさ」ってありますよね。出産の時ってほんと何も役立てないなって思います。家庭内ってこともあったので、この旦那さんはすげー頑張ってる方だなって思いました。この後の展開を考えると、最終的にはちょっとクソだなって思う旦那だったけど。

赤ちゃんの死産を経て、2人はどんどんすれ違っていく。いや2人というより、マーサとマーサ以外。

マーサ以外はマーサのためを思って、助産師を悪者にすることで、この死産をマーサに乗り越えてもらいたいと思っていたと思う。でもきっと女性にとって自分がお腹を痛めて産んだ子が死産するということは計り知れない悲しみがあって、それは男性がそう思うレベルとは次元が違くて、マーサの言う通り、誰かが償うとか、お金がどうとかで解決する問題じゃない。

しかもそんなすぐに大きな悲しみを整理して立ち直るなんて到底ムリで、それこそ壊れてしまったパズルを少しずつはめ込んでいくように、少しずつ自分の気持ちが見えてくる。

一瞬でも手に抱いた自分の子の重み、死産、そして悲しみとの対峙を経て、マーサは母の偉大さや愛を理解したのだろうか。ラストシーンがハッピーエンドに見えたのでよかった。母の愛は母になってみて初めて分かることも多いんだろうな。

ヴァネッサ・カービー、素晴らしかったです。
りょう

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