もりともか

ニューオーダーのもりともかのレビュー・感想・評価

ニューオーダー(2020年製作の映画)
4.0
現実にはハリウッド映画のようなタイミングよく助けに来てくれるヒーローはいない。
富裕層からの支配、貧困層の爆発、圧政、鎮静という名の支配がぐるぐると循環している。これは人間に元々備わっている悪を具現化した一部だと思う。

現実では本当はどこの国でも貧富の差があって差別や戦争がある。日本にだってそれはある。
今作はもちろん貧困層の逆襲がメインではあるけれども、何故こうなったかは描かれていないし(想像は出来るけども)貧困層の描き方が過激でゾンビ映画の主人公たちみたいだった。『気持ちはわかるけどそれってどうなの?』ってやつ。
富裕層だろうが貧困層だろうがいい人はいる。マリアンのような人は救われて欲しいと思ってしまう。でも戦争は無秩序でそんなもんは関係ない。

こういう話の一番厄介なのは反乱軍で、
今作で一番胸糞悪かったのはラストの部分。一体誰に殺されたのかという部分。
戦争終結後に見える現実は果たして真実なのか。何が隠されたのか。
胸糞悪い映画だけど目を逸らしちゃいけない現実でもあるので一度は見てほしい作品です。90分以内という短さも◎!
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