このレビューはネタバレを含みます
冒頭差し込まれる不穏すぎるイメージが脳裏に焼き付いて、その後の華やかな結婚式がいつどうやって崩壊するのか、ひと時も目を離す事が出来ません。
その予兆の描き方もついに訪れる爆発の瞬間も、強烈な映像的違和感をもって襲いかかって来ます。
噴出した暴力がさらなる暴力で上書きされる事で出来上がっていく新しい秩序。
最初から最後まで登場人物の誰にも寄り添う事なく粛々と描かれるその過程は、圧倒的なリアリティで観ているものを突き放し、同時にこれが現実と地続きの寓話である事も突き付けてきます。