Omizu

ワールド・トゥ・カム 彼女たちの夜明けのOmizuのレビュー・感想・評価

3.7
【第77回ヴェネツィア映画祭 クィア獅子賞】
女優や『シークレット・オブ・モンスター』の脚本家であるモナ・ファストボルドの長編二作目。ケイシー・アフレックがプロデュースをつとめ、『私というパズル』のヴァネッサ・カービーと『ファンタビ』シリーズのキャサリン・ウォーターストンが主演している。

昔のフィルムの質感を再現したと思われるあえて粗めの画面、繊細な音演出がとても惹きつけられたのだが、中盤以降失速。二人が最初に口づけを交わしてからの展開が散漫で残念。

『アデル、ブルーは熱い色』ほどの激しさはなく、『燃ゆる女の肖像』の絵画のような美しさには及ばない。

ただ一つ一つの言葉選びにはセンスを感じたし、あの時代に生きる抑圧された女性同士の絆は観ていて微笑ましく苦しかった。

言うに及ばず主演二人は名演、ケイシー・アフレックも微妙な役どころながら上手いと思った。

大傑作!というほどではないがこの監督はしっかり追っていかなきゃなとは思った。
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