Miri

ワールド・トゥ・カム 彼女たちの夜明けのMiriのレビュー・感想・評価

4.5
1850年代のアメリカ北東部のフロンティアでの女性同士の愛を描いた作品。
時代と土地が影響してかなり抑圧された雰囲気が漂い、アビゲイルとタリーの生きにくさがとても感じられる。もちろんキャサリン・ウォーターストーンとヴァネッサ・カービーの演技もいいのだが、フロンティアのなにもない風景や吹雪と言った寒々しい様子がアビゲイルの心を投影していて、だんだん春になり暖かくなるにつれてタリーとの関係が前進していってという、こういう情景描写が美しい作品だったように思える。
『エリサ&マルセラ』の時や、毛色は違うが『最後の決闘裁判』でも思ったが、今だったら同性愛だったりMeTooだったり声を上げることができるが、当時はそういう歴史に埋もれてしまった女性が多く存在するのだろうなと感じる。実際、そういう映画を作ろうと思っても、男性側の資料は多く存在するのに女性側になると全く無かったりするからやはりそういう点でこういった映画は大切なんだろうと感じる。
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