Rea

ワールド・トゥ・カム 彼女たちの夜明けのReaのレビュー・感想・評価

4.2
始まった瞬間から、これは好きなやつだと確信。冬の凍てつく青みがかった木々、農場。1856年の元旦から語られる、粛々と生活を営む日々。まるで写実的な絵画を見ているかのよう。決して不幸だけでは無かったが(私はダイアーという人は嫌いではない)、やはり夫に従属を求められ抑圧された女性たちの人生に胸が痛む。勿論現代でも女性の権利やセクシャルマイノリティに関する問題は地続きではあるから、こういう痛みは日々忘れないようにしなくてはと思う。不幸に勝つ唯一の方法は勉強することである、想像力は養うことができる、という言葉に込められた、それでも生き抜いていくという苦しさのなかにある確かな光に背筋が伸びる。

ヴァネッサ・カービーが大好きなので観たかった作品。アビゲイル役の女優さん含め素晴らしい演技が堪能できて良かった。

決して大仰ではないが、力強さを感じられる非常に良質な映画だ。
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