からんころん

ワールド・トゥ・カム 彼女たちの夜明けのからんころんのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

作品から受けとったメッセージは全くポジティブではない。見終えて疲れた。

あの時代背景ならこうなるしかなかった、と言えばタリーの死はオチとして妥当かもしれんが、どんなにつらい状況だとしても誰にでも内心の自由はある。
タリーは表面だけでもクソ旦那に妥協して生きのびるという結末にすることもできたはず。たとえ死ぬほど辛い想いをすることになったとしても。本心に従うのが常にベストなわけではない、ということを教えてくれる大人の映画だなコレは。
そもそも、わたしたちにはベストな結末なんか見えなくて、常にベターなもの(に見えるもの)しか選べない。

『燃ゆる女の肖像』がよくできている映画なのがわかったよ。

雑感。
アビゲイルみたいな情熱を内に秘める女性、個人的に大好き。少しずつタリーに心を開いていく描写がよかった。地図を欲しがるところとか、大人しそうに見えて実は独立精神旺盛で、今後も地味に生き続けるだろう。
そしてこれからもアビゲイルはタリーのことを想い続けるのだろうな。現実に折り合いをつけながらも。
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