滝和也

拳銃の町の滝和也のレビュー・感想・評価

拳銃の町(1944年製作の映画)
3.4
戦後、初めて日本で
封切られた
ジョン・ウェイン作品。

駅馬車で西部劇の英雄
となった路線を引き継ぎ
ながらもサスペンス・
ラブロマンスと加えた
痛快娯楽作品!

「拳銃の町」

ロックリンはある牧場主に雇われ、西部のある町に向かっていた。クララ、その叔母、御者の酔いどれた爺さんと同行し街につくが、彼を雇った牧場主は殺されていた。クララはその男の親類で牧場の権利を持っていた。街の弁護士、叔母、大牧場の主、息子、そして姪。街の人々を巻き込みロックリンは事件を解決しようとする…。

西部劇らしい活劇ものでありながら、誰が何故、どうして殺したかと言うサスペンス仕立ての展開。ややサスペンス部分が前半整理されてなくて、もたつきわかりにくいのが難かなとは思うのですが、そこは西部劇ヒーローものなので腕力で進んできます。

主人公のウェイン演じるロックリンはアメリカが望む西部の男の理想像ですね。無口でストイックかつ強いという。やはり殴り合いのシーンの迫力はウェインの持ち味。でかい体が役に立つ(笑)

当然モテモテで二人のヒロインから迫られちゃうと言う…(笑)方や淑女の控えめなお嬢様、方やワイルドで情熱的な姐御肌の女。二人ともかなりの美形で恋の鞘当まであると言う…。私はワイルド系のエラ・レインズが好みでした。この設定…富野由悠季監督のザブングルが流用してますわ…。ラグとエルチとジロンの関係だ…。ザブングル自体が西部劇の様な設定でしたからね。

ウェイン自体の魅力を打ち出しながら、またその個性にかなり頼った作品でもあり、かなり無骨な感じですが、一種のアイドル映画なのかもしれませんね。確かにウェインは西部の男の代表格になりますし、愛されてましたからね…。どうしてもネイティブアメリカンの関連で評価が低くなりがちな西部劇ですが、こちらはその類もなく、楽しめる作品だと思います。ジョン・ウェインの魅力溢れる作品。お暇な時にでも…。
滝和也

滝和也