無何有郷

ビューティフル ドリーマーの無何有郷のレビュー・感想・評価

-
途中まで姪っ子のサマーキャンプ発表会を観るような気持ちで思いの外楽しく観れていたが(『うる星やつら〜』ありき)、小川紗良部室1人語りシーンを頂点に以降酷すぎて文字通り空いた口が塞がらなかった。雑、雑、雑、こうなると「責任とってね」も怖すぎる。なぜこの国はいつもこうなのか。3.11を機に丸山眞男の「無責任の体系」をもう一度再考すべきと思っていたところにこの夏、東京五輪でこの底なし沼体質を一層痛感している中、この映画そのものもまた無責任体系をよく表しているようだ。原案はあちこちパクリ、演出は演者任せ、神輿の監督、もちつもたれつの行動様式が生んだこのクソの責任の所在はどこにもない….. まさか故大林宣彦にまでとばっちりがいくのも逆によくやるな!そんな絶望の中「責任とってね」の無邪気な一言が投げかけられた時の無力感ときたら五輪前の今のようである。日本社会の病理をこの映画で垣間見た
無何有郷

無何有郷