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AWAKEのsaeyannのレビュー・感想・評価

AWAKE(2019年製作の映画)
3.8
オンライン試写会にて。
幼い頃から、プロ棋士を目指し、切磋琢磨してきた二人。
1人は夢を叶えプロ棋士になり、1人は挫折。
しかし、時を経て、AIとプロ棋士という対決をすることに。

本来、将棋は楽しむべきものだった。
いつからか、勝つこと、頂点に立つことが目的となり楽しむことを忘れてしまっていた。

吉沢亮の陰キャ役は今までにも何回か観たことがあるが、あの端正な顔立ちの割にはしっくりとハマる。
あのルックスだからこそ、まじめさや垢ぬけていない感じが逆に際立つのかもしれない。
AIの欠陥を見つけたときの、焦りとイラ立ちの表現は緊迫感があり、オタクならではのキレながら、パニくるという、いい味だしてました。

それから、若葉竜也。彼にはいつも圧倒されます。オレだオレだという自己主張はまるで感じさせないのにどんな役をやらせてもこなしてしまう。
今回も控えめなプロ棋士を体の芯の部分に熱いものを抱えていて、淡々と将棋を指しているのが非常に印象深かった。

英一はプロにはなれなかったが、AIを学んだことで新たな知識と分野を開拓できたことは彼にとって、今まで必死にやってきた将棋もきっとプログラムを構築するように、頭の中での物事の処理能力や記憶力はかなり培われたのではないか。決して、これまでの経験や苦労、努力は裏切ることはない。

最後のシーン。将棋を勝ち負けではなく、純粋に楽しむ3人の姿に心が温かくなった。

オンライン試写会にご招待いただきありがとうございました。
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