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赤い鯨と白い蛇のodyssのレビュー・感想・評価

赤い鯨と白い蛇(2005年製作の映画)
3.3
【後半が惜しい】

せんぼんよしこ監督作品。 

老いたヒロイン(香川京子)は二十代の孫娘(宮地真緒)を伴って房総半島の長男宅に向かう途中で電車を降り、昔住んでいた家を見に行く。 そこには今は縁もゆかりもない中年女性(浅田美代子)とその小学生の娘が住んでいたが、家そのものはまもなく取り壊されることになっていた。なつかしさのあまり話し込んでいると、そこにやはりこの家に以前住んでいたというセールスウーマンの女性(樹木希林)が訪ねてくる。 女たちは実はそれぞれにしがらみや過去からの課題を抱え込んでいた・・・。

途中まではなかなか面白い映画で、特に樹木希林がうまい。上品なユーモアも感じられる。 

ただ、最後に各人がしがらみを解決していくあたりは、やや性急でご都合主義の印象もあって、惜しい。 

なおタイトルの 「赤い鯨」 は、老ヒロインの若かった時代、戦争末期に交流があった青年士官が、軍事機密のために潜水艦をそのように言い換えていたところから来ており、実物の鯨が出てくるわけではない。 
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